ExcelVBAで配列の値を保持したまま要素数を変える事ができるReDimPreserveですが、コードの書き方を誤るとエラーになってしまいます。
この記事は、
- 配列の値を保持したまま要素数を変えたい
- 実行時エラー’9′:インデクスが有効範囲にありません。の原因がわからない
こんな方に向けてコードの正しい書き方とエラーの解決方法を説明します。
エラーの原因
2次元配列の一番最後以外の要素数を変更しようとしているからです。
ReDim Preserveで要素数を変更できるのは一番最後の要素だけです。
正しい書き方とエラーになる書き方
リストという2次元配列の変数が既にあり、
その値を保持したまま要素数を追加したいとします。
この場合はReDim Preserveを使い要素数を変更します。
2つコードの例を書きましたが片方はエラーになります。
GOODの例は要素2を変更しようとしています。
BADの例は要素1を変更しようとしています。
エラーの原因はこの変更する要素の位置が関係しています。
正しい例で書いたコード
Sub 二次元配列要素追加テスト成功例完成版() Dim リスト1() リスト1 = Range("A1:C6") Dim リスト2() ReDim リスト2(1 To 3, 1 To 1) cnt = 1 For i = 1 To UBound(リスト1) 改行処理セル = リスト1(i, 2) If InStr(改行処理セル, vbLf) > 1 Then '改行がある場合は改行分リストのコピーを繰り返す For Each 改行処理セルの値 In Split(改行処理セル, vbLf) ReDim Preserve リスト2(1 To 3, 1 To cnt) リスト2(1, cnt) = リスト1(i, 1) リスト2(2, cnt) = 改行処理セルの値 リスト2(3, cnt) = リスト1(i, 3) cnt = cnt + 1 Next Else '改行がない場合はリストをそのままコピー ReDim Preserve リスト2(1 To 3, 1 To cnt) '「1 To cnt, 1 To 3」→「1 To 3, 1 To cnt」で解消 リスト2(1, cnt) = リスト1(i, 1) リスト2(2, cnt) = リスト1(i, 2) リスト2(3, cnt) = リスト1(i, 3) cnt = cnt + 1 End If Next Range("A10:C20").Clear Range("A10:C20") = WorksheetFunction.Transpose(リスト2) End Sub
22行目でReDimPreserveを使っていますが、こちらのコードは正しく動作します。
エラーになる例で書いたコード
Sub 二次元配列要素追加テスト失敗例() Dim リスト1() リスト1 = Range("A1:C6") Dim リスト2() ReDim リスト2(1 To 1, 1 To 3) cnt = 1 For i = 1 To UBound(リスト1) 改行処理セル = リスト1(i, 2) If InStr(改行処理セル, vbLf) > 1 Then '改行がある場合は改行分リストのコピーを繰り返す For Each 改行処理セルの値 In Split(改行処理セル, vbLf) ReDim Preserve リスト2(1 To cnt, 1 To 3) リスト2(cnt, 1) = リスト1(i, 1) リスト2(cnt, 2) = 改行処理セルの値 リスト2(cnt, 3) = リスト1(i, 3) cnt = cnt + 1 Next Else '改行がない場合はリストをそのままコピー ReDim Preserve リスト2(1 To cnt, 1 To 3) 'ここで「実行時エラー'9':インデクスが有効範囲にありません。」 リスト2(cnt, 1) = リスト1(i, 1) リスト2(cnt, 2) = リスト1(i, 2) リスト2(cnt, 3) = リスト1(i, 3) cnt = cnt + 1 End If Next Range("A10:C20").Clear Range("A10:C20") = リスト2 End Sub
22行目のReDim Preserve リスト2(1 To cnt, 1 To 3)で
「実行時エラー’9′:インデクスが有効範囲にありません。」が発生します。
なので変更する要素の位置を後ろに変えればいいのですが、
ここで問題が発生します。
31行目にあるリスト2という配列をRangeのセルに貼り付けるコードです。
Rangeに貼り付ける配列の要素は(行、列)の順番にする必要がありますが、
エラーの対策で要素の位置を入れ替えると変数の値が(列、行)になってしまいます。
そこでRangeに貼り付ける時は行と列の入れ替えを行うWorksheetFunction.Transpose()を使います。
こうすることでReDimPreserveのエラー対策で入れ替えた要素を元に戻してセルに貼り付けることができます。
VBAはどうやって覚える?
プログラムのコードが読めないと、参考にしているコードの理解や自分でプログラムを書くときに時間がかかってしまいます。そんな時は基礎から学ぶと応用もできるようになり自分の作りたいプログラムがスムーズに作れるようになります。
無料でやるならネット上の学習サイトを参考にするといいです。
こちらはVBAの基礎から説明している無料のWEBサイトになります。
>>基礎から学べるWEBサイトを見てみる
過去にネットでの学習でつまずいた方には専門書をオススメします。
本なら基礎から学べる事はもちろん、読者視点で分かりやすい解説になっています。
一人で集中してコツコツ進めたい方は書籍を試してください。
本を読んでもわからない所が多すぎたり、誰かに質問したい場合はオンラインスクールを見てみましょう。
カウンセリングから目的に応じた学習プランと教材を提供してくれるので、プログラミングの敷居がとても低くなります。
誰かに相談できるのは心強いです。
>>オンラインスクールを無料体験で始める
まとめ
配列の要素数はReDimPreserveで変更できることがわかりました。
さらに変更するコードの正しい書き方についても説明しました。
プログラムにエラーはつきものですがめげずにデバッグを続けましょう。