YouTubeやオンラインゲームなどインターネットを使うには欠かせないWi-Fiルーターですが、在宅勤務の増加に伴いサイバー攻撃の標的となっています。
家庭用のWi-Fiルーターでもセキュリティ対策を強化する必要があります。
大企業では数百万円もするUTM(統合脅威管理)を導入していますが、家庭用のWi-Fiルーターは高くても数万円で最低限のセキュリティを施すことができます。
この記事では、
- Wi-Fiルーターのセキュリティってどうすればいいの?
- セキュリティの強いWi-Fiルーターを探している
そんな方に読んでもらいたいです。
今回紹介するWi-Fiルーターについて
Wi-Fiルーターと言ってもいくつか種類があるので違いをおさらいしておきます。
- Wi-Fiルーター←この記事で紹介する製品
- ホームルーター
- モバイルルーター(ポケットWi-Fi)
Wi-Fiルーターは、単体ではインターネットへ接続できないので、回線業者と契約したルータ(ONU・モデム等)と接続する必要があります。特定の位置に置いた状態で動かすことはありません。回線の商品名としてはNuro光やauひかりなどがあります。今回はこのWi-Fiルータについて説明していきます。
ホームルータは、文字通り家に置いた状態で使います。こちらはコンセントを挿せば単体でインターネットへ接続できて回線工事なども必要ありません。ですが、通信量に上限があるものがほとんどなので複数人や動画を多く見る方には向いていません。
モバイルルータ(ポケットWi-Fi)は、充電式で持ち運びができます。なので外出先でパソコンやタブレットをインターネットに接続させる時に便利です。またスマホの通信制限がかかったりした場合に代わりにモバイルルータに接続すれば一時的に制限から解放されます。こちらもホームルーターと同様に通信量に上限があるので使い過ぎに注意が必要です。
セキュリティのポイント
セキュリティの高いWi-Fiルータを選ぶポイントは6つあります。
- Wi-Fiルータと安全に接続できる暗号方式WPA3対応
- ファイアウォール機能がある
- 攻撃を防ぐ侵入防止機能がある
- 悪質サイトへのアクセスをブロックする機能がある
- ウイルス検知機能がある
- Wi-Fiルータのソフトウェアが自動で最新化される
Wi-Fiルーターと安全に接続できる暗号方式WPA3対応
スマホがWi-Fiルーターと通信する時にも目には見えませんがデータのやり取りを行なっています。
攻撃者はこのやり取りを盗み見る事で中間攻撃を仕掛けてWi-Fiルーターに不正に接続したりします。
最新機種はほぼWPA3に対応しているので見る必要はないですが、項目としては押さえておきました。
ファイアウォール機能がある
攻撃者がWi-Fiルーターやパソコンにそもそも接続できないように通信のドアを閉めておく機能です。
攻撃を防ぐ侵入防止機能がある
ファイアウォールと似ていますが少し違います。ファイアウォールが宛先Wi-FiルーターのIPアドレスやパソコンのIPアドレスを元にドアの開け閉めをしているとしたら、侵入防止機能は特定の通信制御情報を送る事で意図しない動作を誘発させられるのを防ぐ機能です。
異常だと考えられる通信制御情報が送られて来た場合に、その通信自体をブロックします。
悪質サイトへのアクセスをブロックする機能がある。
これは子供向けのセイフティフィルターの事ではなく、ウイルスを公開しているWEBページやフィッシングサイトのURL情報リストを元に接続先が安全化どうか判断する機能です。
Wi-Fiルーターのソフトウェアが自動的で最新化される
Wi-Fiルーターもプログラムで動いています。攻撃者がプログラムの脆弱性を見つけた場合、そこに付け込まれてWi-Fiルーターの管理画面にログインされてパスワードを変更されたりします。
攻撃者が脆弱性を自分で見つけて悪用するより、脆弱性情報及び修正プログラムが公開されるとその内容から攻撃方法を逆に作ります。そして修正プログラムの更新が行われていないWi-Fiルーターを標的にして攻撃を仕掛けます。
この脆弱性情報が公開された後にすぐに公開された脆弱性に対して攻撃する手法をゼロデイ攻撃と言います。Wi-Fiルーターでもこの手法で攻撃が成功した事例が多くあります。
オススメのWi-Fiルーター
ここからはオススメということで全て高速通信が可能なWi-Fi6対応機種です。その中でも高いセキュリティ機能を持つ機種を紹介します。
NEC Aterm AX5400HP
Atrem(エーターム)はPCやタブレットのメーカーNECが手がけるWi-Fiルータのブランド名です。その中でもハイスペックモデルとなるAX5400HPを紹介します。ホームページ上ではWX5400HPと表記されていますが同じ製品です。
この製品はデフォルトでセキュリティ機能がありますが、さらにトレンドマイクロホームネットワークセキュリティを適用する事で強化する事ができます。
※1 トレンドマイクロホームネットワークセキュリティ(6,600円/1年)で有効になる機能です。
このAtremのモデルではトレンドマイクロホームネットワークセキュリティが90日間(約1650円分)無料で使用できます。無料期間が過ぎるとセキュリティ機能のみ使用できなくなりますが、Wi-Fiルーターの動作に影響はありません。引き続きトレンドマイクロホームネットワークセキュリティを使うかは後から決めることができます。
詳しくはこちら
TP-Link AX4800
こちらは2021年Wi-FiルータのシェアNo1となったTP-Link製です。
TP-Linkはネットワークカメラなどを中心にシェアを拡大し続けている中国のスマートデバイスメーカーです。
このAX4800はセキュリティ機能と価格のバランスがよく、他社製品の価格帯に手が届かないけどセキュリティも確保したいという要望に応えてくれています。
セキュリティのトップ企業であるAviraのHomeShieldをセキュリティ機能として搭載しています。
※1 HomeShield Pro機能(5,900円/1年間)で有効になる機能です。←初回1ヶ月は無料
バッファロー WXR-6000AX12S
バッファローはデジタル家電やパソコン周辺機器の開発を続ける日本の老舗メーカーで、紹介しているメーカーの中でも一番古く1975年設立です。
Wi-FiルータについてはシェアNo1のTP-Linkと僅差で売り上げを伸ばしています。
この製品はサイバーセキュリティ企業カスペルスキーと提携していて、ネット脅威ブロッカープレミアムによってセキュリティ機能を搭載しています。
※1 ネット脅威ブロッカープレミアム機能(2,980円/1年間)で有効になる機能です。←初回1年間は無料
1年目はプレミアム(2980円/1年間)が無料使えますが、2年目以降は必要に応じてスタンダード(1980円/1年間)に下げても2つのセキュリティ機能は引き続き使用できます。
ASUS RT-AX92U
ASUS(エイスース)は世界1位のマザーボードメーカーでノートPCを含む周辺機器にも力を入れている台湾のメーカです。
紹介するRT-AX92Uですが、特徴は高コスパなところです。
他社製品に引けを取らない性能なのに価格はそれ以下、なんと言ってもデザインが良いです。
大事なセキュリティ機能ですが、セキュリティソフト大手トレンドマイクロ社の技術を採用して開発されたAiProtectionを搭載しています。
AiProtectionはトレンドマイクロ社のセキュリティデータベースから最新の情報を取得して各種機能に有効活用されています。
なおAiProtectionは無料で使えます。これだけの機能がありながら無料なのは凄いです。
ちなみにASUSはペガサス(pegasus)の後ろ4文字からとった名称らしいです。
エレコム WRC-X3200GST3-B
エレコムはパソコン周辺機器から家電まで幅広く扱う国内メーカーです。
安価な製品が多いので身近にエレコムの製品があるかもしれません。
セキュリティとしてはトレンドマイクロスマートホームネットワーク機能を搭載していて必要な機能は満たしています。
セキュリティ機能の制約については十分に理解した上で購入したいですが、他社製品より安くセキュリティ機能が無料なのはグッドです。
詳しく仕様を調べるのにエレコムのホームページを見ましたが、親切でわかりやすい作りでした。価格も見やすさもユーザーファーストなエレコムです。
※1 トレンドマイクロスマートホームネットワーク機能(使用開始から最長5年間または、2028年5月末迄)で有効になる機能です。
セキュリティ機能の制約について
こちらのトレンドマイクロスマートホームネットワークは無料で使用できますが、最長5年でライセンスの延長はできません。
また2028年6月になると使用期間が5年未満でも使用不可になるため注意です。
アイ・オー・データ WN-DAX5400QR
IODATA(アイ・オー・データ)はUSBメモリやハードディスクなどのPC周辺機器を得意とし、デジタル製品発展の歴史に寄り添い成長してきた日本の老舗メーカーです。
セキュリティ機能はほぼ満点で、さらにWi-Fiルーターのソフトウェア自動更新があります。
前述した通り攻撃者は古いソフトウェアを使っています。普段意識しなくてもソフトウェアを最新の状態にしてくれるのはセキュリティ上かなり優位です。
※1 ネットフィルタリング機能(10,375円/5年間)で有効になる機能です。←紹介している機種は5年間無料です。
ネットフィルタリング機能(2,075円/1年間)は機種によって有償ライセンスの購入が必要ですが、紹介している機種は5年間無料で使えます。
まとめ
今回はセキュリティ機能に焦点を置いて6つのWi-Fiルーターを紹介しました。
Wi-Fiルーターの初期設定やセキュリティの設定に自信が無いという方は、サポート対応のある国内メーカーを選ぶ方が無難です。
サイバー攻撃はいつ自分の身に降りかかってくるかわかりません。後から後悔するより今必要なセキュリティ対策を実施して安心できるインターネットライフを送れるようにしましょう。