- ネットワーク構成図の書き方を知りたい
- Excelを使って書いてみたい
- どうすれば見やすくなるのかポイントを知りたい
普段から使い慣れているエクセルで書きたいですよね。
この記事では、そんな方に向けてネットワーク構成図をExcelで作る方法を3ステップで説明します。
- ネットワーク構成図の種類
- 使うソフトの選び方
- Excelでネットワーク構成図を作る

この記事を読めば、ネットワーク構成図の作成方法がわかるようになります。
見やすくなるポイントも説明しているので必見です。
前回作成したIPアドレス管理表を元に作成していきます。
まだIPアドレス管理表が無い方はこちらの記事を参考にしてください。
ネットワーク構成図の種類
作成したネットワーク構成図です。

種類としては論理構成図になります。
ぱっと見よく分からないですよね。私も初めはそうでした。
物理構成図の方が接続をイメージできるので理解しやすいと思います。
なら論理構成図は必要ないと思うかもしれませんが、作成するコンセプトが違います。
ネットワーク構成図は目的によって種類が3つあります。
- 物理構成図
- 論理構成図 ←今回作成する
- ハイブリット構成図
物理構成図
ネットワーク機器・サーバ本体とLANケーブルの繋がりを表現します。
LANケーブルを接続するポート番号まで表現したり、規模が大きいとポートの表現は別に「ポート収容図」を作ったりします。
規模によっては装置が置いてある建物や場所の違いを表現する事もあります。
- 構成する装置の数が分かりやすい
- 置いてある場所が分かる
- 物理故障時に真っ先に見る!
論理構成図
IPアドレスを持つ装置とその装置間のルーティング経路を表現します。
物理構成図では物理的な装置で1台として表現しましたが、論理構成図ではIPアドレスが1台の単位になります。
例えば物理的に2台あっても1つのIPアドレスを共有する装置の場合は1台として表現します。
セグメントがどこで分かれているかを表現する事でルーティング経路が分かりやすくなります。
- ルーティング変更で活躍!
- 物理故障以外のトラブル調査で使う!
ハイブリッド構成図
物理構成図と論理構成図の欲しい部分だけを表現した図です。
物理・論理の情報を1つの図で正確に表すことはできませんが、小規模なネットワークだと接続ポート情報(物理)とIPアドレス(論理)をまとめて書いたりできるので効果的です。
- 物理でも論理でも好きな事書いてOK
- ただ書きすぎるとゴチャゴチャする
このように目的や規模によって作る構成図も変わってきます。
初めは誰でも物理的な部分をイメージしたいと思うはずです。
論理構成図が分かりにくかったのは目的が違ったからですね。
ちなみにしっかりしたシステムは物理構成図と論理構成図は必ず作ります。
小規模なシステムは物理構成図orハイブリッド構成図の1つだけだったりします。

種類として3つに分けましたが、曖昧な物も多いです。
理屈は抜きにして、まずは1つ作ってみましょう!
使うツールの選び方
ネットワーク構成図は1度作ると作り直す物ではないので、使うツールは慎重に選びたいです。
選ぶポイントとしては3つ
- 操作しやすい
- 見やすい
- どこでも編集できる/見れる
私が今まで使ってきたツールは7つあります。
どれも一長一短ですが基本的には使い慣れた物がいいです。
紙
ツールではありませんが、よく手書きするので書いておきます。
管理しなくていい物などは即席で作れるので便利。
- トラブル時
- テスト環境構築
メモ帳
テキスト形式のメールやりとりしか出来ない場合に使います。
規模によっては作成自体が難しいのでほとんど使いません。
Excel
図形や線が扱いやすいのと、設計書自体をExcelで作成する事もあるので実績としては一番多いです。
シートの大きさや数を自由に決めれるので拡張性がかなり高い。
PowerPoint
ネットワーク構成のプレゼンを行う場合に使うので、運用を目的とする場合は向いていません。
ネットワーク変更を行う場合は、変化する図をページ毎に表現できるので分かりやすいです。
使い勝手はExcelと同じですが、1ページの大きさが限られているので図はコンパクトにする必要があります。
Visio
大規模なネットワークの場合に採用されます。
他のソフトと比べ線の重なりが分かるような表現や、線の折り返しが容易なので複雑な構成にも対応できます。
VisioはWindowsOSでも標準で搭載されていないので運用に引き継いだらVisioの入っているPCが無いという事もざらにあります。
イラストレーター・フォトショップ
機能性より見た目重視で作成したい場合に採用します。
- 視覚的に認識しやすい
- 親しみやすい
などのメリットがありますが、エンジニア向けのソフトではないので操作性がイマイチです。
クラウドサービス:Cacoo(カクー)
簡単に綺麗な図を作りたい場合に採用されます。ネットワーク構成図の作成も考慮して作られているので使い勝手がいいです。
新しいサービスなので実用例はありませんが、ツール選びのポイント3つを全て満たしています。
- 環境に依存せず誰でもどこでも使える
- アイコンのテンプレートが豊富
私の経験上ExcelとVisioがほとんどです。
今後はCacooなどのクラウドサービスが出てくるかもしれません。
今回はWindowsなら基本的に使えるExcelで作成する事にしました。
次の項目から作成方法を説明していきます。
Excelでネットワーク構成図を作る
今回はこのIPアドレス管理表を元に作成します。

作成する工程はこちら
- セグメントを表現
- ホストを表現
- 外部ネットワークを表現
- 凡例を記載
細かい内容は作成しながら説明します。
(1)セグメントを表現
セグメント1つにつき線を1本横に引きます。

セグメントとはネットワークアドレスが同じIPアドレスの事です。
- 192.168.50.1/24
- 192.168.50.217/24
この2つのネットワークアドレスはどちらも「192.168.50.0/24」なので同じ線上に存在することになります。
線の左側にネットワークアドレスを書いておきます。
ネットワークアドレスの変換はこちらのサイトを使うと便利です。
>>無料IPアドレス変換ツール(https://www.infraexpert.com/study/tea3.htm)
(2)ホストを表現
ホストIPアドレス情報を四角で表現します。

ホストは四角で表現します。
ホスト分四角を作りその中にホスト名を書きます。
IPアドレスは四角の中に全て書いてもOKです。
(3)外部ネットワークを表現
管理していない外部ネットワークを描きます。

IPアドレス管理表に従うと「キャリア網」と「インターネット」が管理外のネットワークになります。
一般的にはどちらも管理外なので一纏めにインターネットと表記してもOKです。
私の環境の場合、2重NATされているので雲マークが2つありますが、一般的にはルータである「ASUS」に直接「インターネット」の雲が繋がる事が多いです。
(4)凡例を記載
最後に凡例を書いたら完成です。

自分だけが見る場合は凡例は必要ありません。
ただ、他人が見る場合は図の意味が伝わらない事があります。
誰かに見せるのであれば、しっかり凡例を書くといいでしょう。
例えば固定IPを表現したい場合「.217」を「.217」に変えて、凡例に「.XXX 固定IP」と書けばパッと見でも固定IPだと分かります。
ネットワークはどうやって覚える?
ネットワークといっても基本用語が分からないと都度ネットで調べたりして時間がかかってしまいます。基礎から学ぶと実際のネットワークを見た時に、その構成の理由を理解できるようになります。
無料でやるならネット上の学習サイトを参考にするといいです。
こちらはネットワークの基礎から説明している無料のWEBサイトになります。
>>基礎から学べるWEBサイトを見てみる
実際に使われるコマンドなど実戦形式で覚えたい方はCCNAの学習をおススメします。
私もこのWEBサイトで勉強して資格を取りました。
>>CCNA学習用WEBサイトを見てみる
過去にネットでの学習でつまずいた方には専門書をオススメします。
本なら基礎から学べる事はもちろん、読者視点で分かりやすい解説になっています。
一人で集中してコツコツ進めたい方は書籍を試してください。
本ではわからない所が多すぎたり、誰かに質問したい場合はオンラインスクールを見てみましょう。
カウンセリングから目的に応じた学習プランと教材を提供してくれるので、ネットワークを覚える敷居がとても低くなります。
誰かに相談できるのは心強いです。
>>ネットワークの基本資格CCNAのオンラインスクールを見てみる

まとめ
ネットワーク構成図をExcelで作る方法を3ステップで説明しました。
- ネットワーク構成図の種類
- 使うソフトの選び方
- Excelでネットワーク構成図を作る
物理構成図とか論理構成図とか説明しましたが、他人に伝わる事が大切です。
必要な事やそのネットワークで大切な部分をしっかり描いて、意味のあるネットワーク構成図を作りましょう。