- ネットワーク構成図が何か知りたい。
- ネットワーク構成図が無いんだけどどうしたらいいの?
- ネットワーク構成図ってどんな種類があるの?
この記事では、そんな方にネットワーク構成図の基礎を紹介します。
何気ない疑問を解決します。
ネットワーク構成図とは
ネットワーク構成図はネットワーク機器間やインターネットへの繋がりを図で表しています。
ネットワークの全体像が見えるので、ネットワーク構成図があれば設計書を読まなくても大体の事がわかります。
細かい部分を知りたくなったときは設計書を見ればいいんです。
なので、ネットワーク構成図とは・・
設計書の要約
です。
設計書は文章なので一通り読まないと何をしたいのか伝わりません。
複数人が同じ設計書を読んでも、同じネットワーク構成を想像できるかと言われると難しいでしょう。
なので全体像を把握するためのネットワーク構成図があるんですね。
また、ネットワーク構成図の定義は何か?と聞かれたら
- ネットワーク機器が1つ以上ある
- ネットワーク機器が他のサービスや装置に接続されている
この2つを満たしていればネットワーク構成図と言えます。
ネットワーク機器はMACアドレスを持っている機械です。(スマホ、パソコン、Wi-Fiルーターなど何でもOK)
ネットワーク構成図を使うタイミング
ネットワーク構成図は設計・構築・運用の工程で活用されます。
- 設計:要件を満たすネットワーク構成を考え、それを図に示します。ここで作ったものがネットワークの基礎となります。
- 構築:ミスの削減やテスト項目の作成に使います。
- 運用:トラブルの原因調査や作業の影響調査に使います。
見る状況や立場によっても使い方が変わります。
ネットワーク初心者の場合:
ネットワーク構成図を勉強の材料として使います。用途のわからない装置や表記について調べる事で理解が深まります。
私も初めてネットワークを受け持ったときは、ネットワーク構成図の内容をほとんど理解できませんでした。
ネットワークの経験者の場合:
ルーターやファイアウォールの位置などからルーティングの流れを想像したり、スイッチの位置によって用途を想像したりできます。
図からは読み取れない部分だけ設計書を参照すればいいので、ネットワークの理解にかける時間が短くなります。
ネットワーク増設の場合:
ネットワーク構成図に増設ポイントを示して共有することで、物理的な変更箇所から論理的な変更点を検討できます。
ネットワーク構成図は無くてもいいのか?
ネットワーク構成図は設計書の一部です。仕事の場合は納品物として提出するので、ほとんどの場合は作成します。
ですが、ネットワーク構成図の無いネットワークは沢山あります。
例として、3つあげます。
- 突貫で作ったネットワーク
- 小規模なネットワーク
- 過度に複雑なネットワーク
突貫で作ったネットワーク:
コストと時間が限られる中で作られたものです。
動くことが優先されネットワーク構成図が残らない場合があります。
小規模なネットワーク:
各家庭や個人事務所などでよく見られます。
基本的な通信のみが要件となることが多く、管理自体不要になるケースが多くあります。
過度に複雑なネットワーク:
長年使い続けたネットワークでの継ぎ接ぎによって発生します。
管理する為の課題が多すぎて放置されている事があります。
この特徴をまとめると3つ
- コスト削減
- トラブルの影響が少ない
- 拡張の制約がない
それらしい理由をまとめましたが、実際は・・
ネットワーク構成図がなくても、動いているからOK。
という感覚が大きいと思います。
私も継ぎ接ぎによって更新が追いついていないネットワークを受け持ったことがあります。
ネットワーク構成図にない機器を見つけては更新を繰り返して最新化させました。
ネットワークの管理を任されている立場なら、ネットワーク構成図は必要になります。
古いなら更新しよう。
無いなら作ろう。
ネットワーク構成図の種類
ネットワーク構成図は目的によって種類が3つあります。
- 物理構成図
- 論理構成図
- ハイブリット構成図
物理構成図:
ネットワーク機器・サーバ本体とLANケーブルの繋がりを表現します。
LANケーブルを接続するポート番号まで表現したり、規模が大きいとポートの表現は別に「ポート収容図」を作ったりします。
規模によっては装置が置いてある建物や場所の違いを表現する事もあります。
- 構成する装置の数が分かりやすい
- 置いてある場所が分かる
- 物理故障時の影響確認
論理構成図:
IPアドレスを持つ装置とその装置間のルーティング経路を表現します。
物理構成図では物理的な装置で1台として表現しましたが、論理構成図ではIPアドレスが1台の単位になります。
例えば物理的に2台あっても1つのIPアドレスを共有する装置の場合は1台として表現します。
セグメントがどこで分かれているかを表現する事でルーティング経路が分かりやすくなります。
- ルーティング変更
- 物理故障以外のトラブル調査
ハイブリッド構成図:
物理構成図と論理構成図の欲しい部分だけを表現した図です。
物理・論理の情報を1つの図で正確に表すことはできませんが、小規模なネットワークだと接続ポート情報(物理)とIPアドレス(論理)をまとめて書いたりできるので効果的です。
- 物理でも論理でも好きな事を書いてOK
- ただ書きすぎるとゴチャゴチャする
- 小中規模だと重宝する
このように目的や規模によって作る構成図も変わってきます。
初めは誰でも物理的な部分をイメージしたいと思うはずです。
論理構成図が分かりにくかったのは目的が違ったからですね。
ちなみにネットワーク機器が100台を超える大規模なシステムは物理構成図と論理構成図を必ず作ります。
小規模なシステムは物理構成図orハイブリッド構成図の1つだけだったりします。
ネットワーク構成図の見方は?
ネットワーク構成図を見るポイントは5つです。
- ネットワークの規模
- 他ネットワークとの境界点
- ルーティングポイント
- ファイアウォール
- クライアント•サーバのセグメント
この5つを理解しておくと、通信がどんな経路を通るのか分かります。
経路が分かればトラブル調査やネットワークの変更などのネットワークの管理が楽になります。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
- ネットワーク構成図が何か知りたい。
- ネットワーク構成図が無いんだけどどうしたらいいの?
- ネットワーク構成図ってどんな種類があるの?
という疑問について説明しました。
ネットワーク構成図は「設計書の要約」です。設計・構築・運用とどの工程でも必ず使います。無いまたは、古い場合はあなたの手で作ることをオススメします。
ネットワーク構成図の書き方についてまとめた記事