今回はネットワークの設計や管理を行う上で必要なケーブル配線表を作ってみます。
この記事は、
- LANケーブルを敷設することになった
- LANケーブル配線表の作り方を知りたい
こんな方に参考にしてもらいたいです。
ケーブル配線表では、LANケーブルをどこからどこに接続するかを書きます。
ケーブル配線表
自宅のネットワーク情報を元に値を入れてみました。
壁コネクタからのLANケーブルがレンタルルータに接続され、そのレンタルルータから私が購入したWi-Fiルータに繋がっています。
PCやスマホの接続はWi-FiなのでLANケーブルは2本しかありません。
表の内容
- 接続元の場所
- 接続元の装置名
- 接続元のインターフェース名
- 接続先の場所
- 接続先の装置名
- 接続先のインターフェース名
- ケーブルの種類
- ケーブルの長さ
- ケーブルの色
- 備考
ケーブル1本につき1行を使って書いていくので、100本ある場合は100行になります。
実際に作ると大きな表になりますが、そう言う物です。
目的によって変わると思いますが基本的には纏めて「×10本」とか書かないようにしましょう。
場所
自由ですが、テンプレートはこんな感じです。
オフィスの場合
データセンターの場合
装置名
装置名と書いていますが、ホスト名で管理していればホスト名を書きます。
インターフェース名
Ciscoスイッチの1番目ポートの場合
レンタルルータなど
悪い例
業務ポート・管理ポートなどと独自の名称を書かれる事がありますが、その場合は装置のインタフェースに名称の記載されたシールを貼って分かるようにしておきます。
逆に、シールを貼らずに独自の名称を使うと後で分からなくなるのでやめておきましょう。
ケーブルの種類
一般的なLANケーブルの場合
悪い例
1GだとCat5eなのかCat6なのかはっきりしませんしストレートかクロスかもわかりません。
LANケーブルと言うとコネクタがRJ45のUTPケーブルをさします。UTPケーブルにも同線の組み合わせでストレートやクロスの違いがあったり、Cat5eやCat6など通信速度の規格が様々なので正確に書きます。
光ケーブルはFCと書くことがあります。光ケーブルもコネクタや規格があるのは同じですが、光ケーブルの種類によりますがほとんどは2本で1セットになります。その為2本のコネクタ部分を結合するパーツを使う旨を備考に記載しておきましょう。
長さ
距離がある場合
折り返し接続や近くの装置間の場合
長さは接続元先の場所によって決まります。
平面図の距離だけでなくラックの高さやラックの前面に繋がるのか、背面に繋がるのかによっても長さが変わるので余裕を持たせて記載します。
3m、5m、10mなどキリの良い長さであれば既製品を使えて安くなる可能性があります。
10cmや12mなどジャストサイズが必要な場合はケーブルとコネクタの素材を手作業で結合させたり導通テストを行ったりするので割高になる可能性があります。
色
機能的には何色でも支障はないと思いますが、システムやデータセンターによって色の指定がある場合があるので念のため確認したほうが良いです。
特に指定が無ければ発注先にお任せしましょう。
備考
基本的にケーブルの先端になる2箇所へ接続先がわかるようにタグをつけます。
基本すぎて見落とすかもしれませんが、表の上にタグを作成する旨書いておくか備考欄へ「タグ作成」と書いておきましょう。
なぜケーブル配線表を作るのか?
ケーブル配線表を作る目的は主に3つあります。
- ケーブル購入見積もり
- ケーブル結線時の確認
- ケーブル撤去の確認
ケーブルの見積もり
ケーブル配線表は1本ずつケーブルの情報が書かれているのでケーブル見積もり時の資料として最適です。
さらに、予算に余裕がある場合やケーブル故障時の復旧時間短縮のため予備のケーブルを入れる場合もあります。
物理構成図の接続線と比較する事で記載漏れを防ぐことができるので必ずチェックしましょう。
ケーブル結線時の確認
ネットワークを導入する規模や役割によってはケーブル結線を他人へ依頼する事もあります。
ケーブル結線を他人へ依頼する場合、ケーブル結線表は必須資料になります。
設計者自身で接続する場合でも、ケーブル本数が多い場合はケーブル結線表を作成しましょう。
ケーブル撤去の確認
基本的にはネットワークを作る時に必要になる情報なので、完成してからはほとんど使う事がありませんが、ネットワークを撤去する際の費用算出にも使われます。
目に見えるケーブル全て撤去なら楽ですが、大量にあるケーブルから部分的に撤去する場合はケーブル結線表で示す必要があります。
その他
その他の用途として、ネットワークの変更や増設時に参考資料として見たりします。
普段使わないので地味な存在ですが、後から作る事は極刑に近いので必ず残しておきたいです。
ネットワークの変更で配線表が見つからずデータセンターやオフィスの床を文字通り這いずり回ったりした事があります。
ですがケーブルが束になっている所や床下配線の場合もあるので全てを追う事はできないと思います。
物理構成図とケーブル配線表にはケーブルの本数や接続している装置を確認できたりと、重複している情報があるんですよね。
なので、その時に必要な情報が物理構成図から得られるのであればケーブル配線表は見なくても良いことが多いです。
ですが最初は小規模ネットワークでケーブル数が少なくても、後から増設でケーブルが20本増える事なんてざらにあるので最初から作っておきましょう。
ネットワークはどうやって覚える?
ネットワークといっても基本用語が分からないと都度ネットで調べたりして時間がかかってしまいます。基礎から学ぶと実際のネットワークを見た時に、その構成の理由を理解できるようになります。
無料でやるならネット上の学習サイトを参考にするといいです。
こちらはネットワークの基礎から説明している無料のWEBサイトになります。
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実際に使われるコマンドなど実戦形式で覚えたい方はCCNAの学習をおススメします。
私もこのWEBサイトで勉強して資格を取りました。
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過去にネットでの学習でつまずいた方には専門書をオススメします。
本なら基礎から学べる事はもちろん、読者視点で分かりやすい解説になっています。
一人で集中してコツコツ進めたい方は書籍を試してください。
本ではわからない所が多すぎたり、誰かに質問したい場合はオンラインスクールを見てみましょう。
カウンセリングから目的に応じた学習プランと教材を提供してくれるので、ネットワークを覚える敷居がとても低くなります。
誰かに相談できるのは心強いです。
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まとめ
新たにLANケーブルを敷設する為に必要なケーブル配線表を作りました。
見積だけではなく、スムーズな敷設作業と確認作業を行えるようしっかり作りましょう。